TOP琵琶湖・淀川こども水質保全活動助成について活動レポート02.「木津川・上から下までウォッチングツアー」

02.「木津川・上から下までウォッチングツアー」伊賀市立長田小学校・柘植小学校 | 2014.8.20
 伊賀市立長田小学校(以下長田小)と伊賀市立柘植小学校(以下柘植小)は、2014年8月20日、木津川から淀川河口までの様子を観察する「木津川・上から下までウォッチングツアー」を行いました。
 淀川最上流部の柘植川が流れる柘植小(黒川昌吉校長、全校生徒128人)と木津川上流部に位置する長田小(前澤昭彦校長、全校生徒47人)。同じ流域にある両校が今年初めて合同のバスツアーを企画しました。1日まるごと、河川について学び、上流域、中流域、下流域の違いを体感してもらおうという取り組みです。
 両校の生徒たちは、木津川上流部、柘植川の観察や下流部大阪市にある木津川(同じ名称ですが淀川水系の下流にある分流です)の渡し船、中流部にある笠置町でのカヌーなどを体験しました。
 今回、カヌー体験の時間におじゃましました。
淀川の源流域
 両校がある三重県伊賀市は、三重県の北西部に位置し、北は滋賀県、西は京都府、奈良県と接しています。木津川は淀川の支川の1つで、青山高原から始まり、伊賀市で服部川が、京都府相楽郡南山城村で名張川が流れこみます。流れは京都府八幡市まで続き、宇治川、桂川と合流し淀川として続いて行きます。

上流と下流の違いを感じよう
 午前7時30分、柘植小に両校の1年生から6年生の生徒とその保護者など計41人が集まりました。柘植小で団結式を行い、バスに乗り込んだ一行は、柘植小の近くを流れる柘植川上流部を観察しました。
 柘植川は、服部川に合流し、やがて木津川と合流する河川です。源流は伊賀市東北部の加太峠付近で、峠を隔てて反対側はやがて鈴鹿川となって伊勢湾に流れこむ加太川です。柘植川の源流部は、大阪湾と伊勢湾への分岐点です。

木津川をどんどん下って下流へ
 柘植川を観察したあとは、渡し船に乗るため大阪市内へ向かいます。
 大阪市大正区、もうひとつの木津川に到着した子どもたちは、「千本松渡し船」の乗船を体験しました。
 大阪市には、定期的に運航する無料の渡し船が運航されています。古くから多くの川が流れ、水の都と呼ばれた大阪には、人々の往来のための渡船場が各所にありました。現在、天保山渡船場、甚兵衛渡船場、千歳渡船場、落合上渡船場、落合下渡船場、千本松渡船場、船町渡船場、木津川渡船場の8か所が市民に利用されています。
 子どもたちは船から見た川について「海かと思った」「とても深そうで濁っていた」「魚がいた」と話してくれました。上流と河口部の違いを体験したようでした。

水にふれて楽しもう カヌー体験
 千本松渡船場を後にして、鶴見緑地で休憩をとったあと、再び木津川をさかのぼります。
 一行は、木津川の中流部にあたる、京都府相楽郡笠置町、JR笠置駅近くの河川敷にやってきました。河川敷にはキャンプ場があり、バーベキューなどを楽しむ人でにぎわっていました。
 子どもたちは、この河川敷でカヌー体験をします。まずは陸上で(有)フジタカヌーの先生から、パドルの持ち方や漕ぎ方などの説明を受けました。次にカヌーをみんなで協力して川原まで運びます。


みんなで協力してカヌーを河川敷まで運びます。

 このあたりは、川幅も大きくゆったりとした流れです。川は週末の雨の影響で少し濁っているようでした。
 先生が水上でお手本を見せたあと、いよいよ子どもたちがカヌーに乗り込みます。


乗った人から少し上流に向かいます

 カヌーに乗った子から先生に続いて少し上流に向かいます。大きな石がごろごろしています。カヌーから見る景色は絶景です。子どもたちは怖がる様子もなく、どんどん漕いで水とふれあっていました。
 体験は1時間ほどで終わりです。カヌーから降りた子どもたち、カヌーを運ぶ手に力が入らないようでした。力いっぱい漕いで、ちょっと疲れたのかな? 楽しい思い出ができましたね。

笠置町は「遊びカヌー」発祥の地です。


まず、パドルの持ち方などを陸上で練習します


いよいよカヌーに乗り込みます。


みなさん上手に乗っています


大きな岩や石がたくさんあります

まとめ
 長田小では学校環境デーを設け、子どもたちが環境問題について考える機会を多く設けています。また、柘植小では、水の学習で水質保全の現状や課題を学んでいるほか、毎年、児童会でwaqu2(ワクワク)調査隊※1に参加しています。
 子どもたちは、両校の環境や水環境についての学習と今回のツアーを通して、水や自然の大切さを学びました。木津川から淀川へと続く雄大な流れを目の当たりにして、川が私たちに与えてくれる癒しや潤い、計り知れない恩恵を感じ取ってくれたのではないでしょうか。
※1 waqu2(わくわく)調査隊は、公益財団法人琵琶湖・淀川水質保全機構が平成16年から実施している市民参加型の水質調査です。調査隊員に登録した方が、琵琶湖・淀川流域の河川でパックテストを用いて年2回水質を調査します。詳しくは≪こちら≫をご覧ください。
団体名|伊賀市立長田小学校(いがしりつながたしょうがっこう・三重県伊賀市)
テーマ|木津川の全容を体験する
目 的|児童や地域住民が下流域を観察し木津川の全容を知ることで上流部に住む者の暮らしの有り様について考えを深める。下流部の保全活動家との交流を深める。スペシャルな体験活動で環境保護の豊かな心情を養う。
概 要|木津川全容観察バスツアーの実施。ひまわりコンサート(産廃問題を克服した地域の記念コンサート)への児童の参加。学校環境デーでの、植樹、ケヤキ並木造り。
団体名|伊賀市立柘植小学校(いがしりつつげしょうがっこう・三重県伊賀市)
テーマ|柘植川・木津川水の調査隊
目 的|美しい自然と自然豊かな水に恵まれた流域に暮らす子どもたちが、流域の水質保全の現状を理解し、水循環などについて学ぶ中で、地域の河川や湖を守り育てる意欲を持たせる。
概 要|水源や施設などでフィールドワーク、水生生物の学習で水質保全の現状や課題を学習。木津川全容バスツアーの実施。環境学習情報センターの出前事業で水質保全につながるエコ活動を学ぶ。児童会委員会活動で水質調査を継続。芭蕉ゆかりの小学校として河川に関する俳句吟行を行う。
 
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